私達は地層や古生物について話すとき、前期白亜紀とか後期ジュラ紀とかいった地質年代の名前を何も気にせず使っています。また恐竜の本なら子供向けのものにいたるまで、まず地質年代表は載っているし、もちろんDINO STAMP GALLERY年代、種類別分類でも地質年代表を利用しています。
しかし頻繁に登場はするものの、この地質年代表そのものについて詳しく書かれている本は以外に少ないようです。今回は古生物を語るうえで知っておいて損はない、地質年代について解説してみます。
様々な時代の土の層が重なって、縞々になっているのを地層ということは知っていますね。そもそも地層がいつの時代のものかというのは、どうやって決めているのでしょうか。
古生物の中には、ある時代にのみ世界中に広く生息していたものがおり、地層の中からそのような生物の化石が発見されれば、その地層がどの時代のものか知ることができます。このような化石を示準化石といいます。
しかし、ここで一つ疑問がわいてきます。確かに示準化石によって、この地層は白亜紀前期だ、ジュラ紀後期だというように、地層がどの時代のものかは決定できます。しかし地層が何万年前のものかという、具体的な年代はどうやって決めるのでしょうか。
地層の具体的な年代を決めるには、放射性元素を用いた年代測定法を利用します。
放射性元素というのはその名のとうり、α線、β線、γ線等の放射線を放出する元素のことで、その放射線を発する能力を持つ原子核を放射性同位体(ラジオアイソトープ)といいます。そして放射性同位体には、放射線を放出しながら別の安定した形の原子核に変化する性質があり、これを放射性崩壊といいます。
また物質の中に含まれる放射性同位体の量が崩壊の結果、半分に減る時間を半減期といい、その時間は下図のようにそれぞれの放射性同位体に固有であるとされています。そこでこれを利用すれば、地層中の土に含まれる放射性同位体と崩壊後の物質の量の比を調べることにより、その地層が何万年前のものかがわかるのです。
| 原子核 |
半減期 |
| 炭素14 |
5.73×10^3年 |
| ウラン238 |
4.468×10^9年 |
| カリウム40 |
1.3×10^9年 |
| ルビジウム87 |
4.88×10^10年 |
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時代区分 |
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層序区分 |
| 代 |
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界 |
| 紀 |
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系 |
| 世 |
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統 |
| 期 |
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階 |
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白 亜 紀
| 後期
| 上部
| 白 亜 系
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| 中期
| 中部 |
| 前期
| 下部 |
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放射性同位体と半減期 |
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時代区分と層序区分の関係 |
ところで多くの本では年代を表記するとき、ジュラ紀後期、前期白亜紀、といった書き方をしますがまれに、上部白亜系、下部ジュラ系、のような書き方をしている場合を見かけます。これら2種類の表記法は一見同じ意味としてとらえてしまいそうですが、実は全く違う意味を表すものなのです。
地質年代の表し方には、上図のように時代区分と層序区分という2種類があります。前者は一般によく使われる方で、中生代白亜紀マーストリヒト期、のように代、紀、世、期で表します。それに対し後者は、中生界白亜系マーストリヒト階、のように界、系、統、階で表します。
そして気をつけなければならないのは、時代区分では古い時代を前期、新しい時代を後期と表すのに対し、層序区分では古い時代を下部、新しい時代を上部と表すことです。
これは時代区分は時間の前後、層序区分は地層の上下に基づいた地質年代の表し方であるためです。時間は早いほうが前、地層は古いほど下にありますね。
恐竜を語る上で、地質年代に触れないわけにはいきません。これから地質年代の名前を使うときは時代区分と層序区分の違いに気をつけましょう。