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鳥は恐竜?



 みなさん、始祖鳥という生き物を知っていますか。古生物にふれた本ならまず取り上げられる有名な動物なので、知っている人も多いと思いますが、ジュラ紀末期に生息した鳥によく似た動物です。

 始祖鳥は全身を羽毛に包まれていましたが、歯がある、長い尾を持つ等現在の鳥とは違った特徴を持ち、飛行能力もやや劣っていました。
一方、恐竜の骨格が鳥とよく似た特徴を多く持ち、恐竜と鳥の間には深いつながりがあるだろうことは、昔から知られていました。そのため始祖鳥がドイツで発見された当時、ダーウィンの進化論が発表された直後という事もあって、これこそが恐竜と鳥との中間生物であり、鳥は恐竜からこの生物を経て進化したのだとする説が一気に世界中に広まりました。
現在では始祖鳥は鳥の直接の祖先ではなく、鳥的な特徴を多く持ちながらも、それ以上空にも陸にも適応しなかった中途半端な生き物である、と認められていますが、鳥は恐竜の子孫であるという考えは今や常識となりつつあります。

 しかし1990年代に入ってこの鳥と恐竜の関係に対する面白い説が現れました。
この説によると、三畳紀の樹上生の槽歯目が羽根を獲得して滑空を始め、さらに飛行能力を向上させていき、鳥へ進化していきます。ところがその途中で二次的に地上に降り、再び地上の生態系に適応した仲間がおり、その子孫が肉食恐竜であるというのです。平たく言えば、恐竜が進化して鳥になったのではなく、恐竜は元々鳥であり、進化の途中で空への進出をやめ地上に降りた子孫だということです。

 もし鳥が恐竜から進化したのなら、始祖鳥が登場する以前の時代に、だんだん鳥へ近づいていく恐竜のグループがいたはずです。ところがジュラ紀後期までの時代からは、鳥に近づいていく様子を見せる恐竜はさっぱり見つからず、逆にジュラ紀後期以降、時代が新しくなるにつれて、鳥に似た恐竜は増えていきます。
またこれまで恐竜と多くの共通点を持ち、ティラノサウルス科の祖先と考えられてきた、偽顎亜目という種類の動物(恐竜とは違います)は、一部の特徴が恐竜とは決定的に違っており、祖先にしてはおかしいと考えられていました。
この新理論を採用すると、このような多くの謎がきれいに片付いてしまいます。ただこの説は整合性はずば抜けてよいのですが、裏づけとなる証拠が無く、今のところあまり支持されてはいません。

 しかしこの説の一助となってくれそうなのが、最近中国で発見された孔子鳥という鳥の化石です。 この鳥は始祖鳥とだいたい同時代のジュラ紀末期に生息していたのですが、始祖鳥よりはるかに空への高い適応をとげており、やはり鳥はもっと前の時代から空への進出を始めていたことがうかがえます。

追記
 この記事を書いた一ヵ月後、この仮説に関する大きなニュースが飛び込んできました。三畳紀後期のロシアの爬虫類、ロンギスクアマに羽毛があったという証拠が見つかったというのです。
ロンギスクアマは樹上生の小さな爬虫類で、叉骨を持ち、かねてから滑空を始めた段階の原始的なダイノバード(鳥と恐竜の共通の祖先)の仲間だと考えられていた動物です。この説の決定的な証拠となるのでしょうか。






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