男と女がいる理由
動物にはなぜオスとメスという性別があるのでしょうか。繁殖のためだというならゾウリムシやバクテリアは性別が無く、1つの個体が分裂して増殖できます。2つの性を必要とする繁殖法を有性生殖というのですが、いったいなぜこのような面倒な方法をとるのでしょうか。
動物は細菌やウイルス、寄生虫といった様々な寄生者と戦いながら生きていかなければなりません。そのために動物には免疫システムがあるのですが、寄生者達は生きている時間が短いため進化の速度も速く、次から次へと新しい寄生者が現れることになります。よって種を守るためには、免疫システムもこれに追いつかなくてはなりません。そのための最も有効な手段が、有性生殖による遺伝子の交換なのです。
無性生殖の場合、子は親と全く同じ遺伝子を持って生まれてくるため、もし誰か一人の免疫が破られれば、それは一族の全滅を意味します。しかし両親の遺伝子を組み換えて、新しい遺伝子を作って生まれる有性生殖の場合は、全ての個体が違う遺伝子をもつため全滅することはありません。(DNA鑑定ができるのもこのためです)
これはルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に登場する、常に走り回っている赤の女王に見立てて"赤の女王仮説”と呼ばれています。個体レベルでの有利性を合理的に説明した、大変優れた説といえます。